近年、新商品やブランドのプロモーションとしてキッチンカーイベントが注目されています。
その最大のメリットは、食品・飲料などを「見て、試して、味わう」リアルな体験を提供できる点にあり、
広告やWebサイトだけでは伝えきれない味わいやブランドの雰囲気を、直接生活者に届けることが可能になります。
しかし成果を高めるには、商品自体の魅力だけでなく、クリエイティブ設計が不可欠です。
今回は、アサヒグループジャパン株式会社様の「LIKE MILK」キッチンカーイベントに携わった制作経験をもとに、クリエイティブ制作で意識したいポイントをご紹介します。
01キッチンカーイベントが注目される理由
近年、食品・飲料メーカーを中心に、キッチンカーを活用したプロモーションイベントが増えています。
キッチンカーイベントは、駅前や商業施設、公園、展示会、地域イベントなど、生活者が自然に集まる場所で実施できるため、商品との偶然の出会いをつくりやすい施策です。
広告やWebサイトでは、どうしても「見る」「読む」という接点が中心になります。
一方、キッチンカーイベントでは、来場者が実際に商品を手に取り、その場で味わい、スタッフと会話しながら商品の特徴を理解できます。
特に新商品や、まだ認知が十分に広がっていない商品の場合、生活者は味わいや楽しみ方、既存商品との違いをまだ具体的にイメージできていません。
だからこそ、実際にその場で試してもらい、スタッフとの会話やメニュー体験を通じて、「自分の生活の中でどう楽しめる商品なのか」を感じてもらうことが重要です。
また、来場者の反応を直接見ることができる点も、キッチンカーイベントならではの特徴です。
実際に飲んだり食べたりした方の表情、感想、会話の内容は、今後の商品開発や販促施策、Webサイト・SNSでの情報発信にも活かすことができます。
つまり、キッチンカーイベントは、商品の認知拡大だけでなく、生活者との接点づくりやリアルな声の収集にもつながる施策といえます。
02キッチンカーイベントでクリエイティブが重要な理由
キッチンカーイベントでは、商品そのものの魅力はもちろん重要です。
しかし、来場者が最初に目にするのは、商品ではなく、キッチンカーや会場まわりのビジュアルです。
通りかかった人が、「何のイベントをやっているのか」を瞬時に判断し、そのまま通り過ぎるか、足を止めるかが決まります。
そのため、キッチンカーイベントにおけるクリエイティブは、単なる装飾ではありません。
来場者に興味を持ってもらい、商品体験へとつなげるための重要なコミュニケーションツールです。
例えば、キッチンカーの外装、メニュー表、POP、のぼり、案内パネル、配布物、アンケート誘導ツールなどは、それぞれが来場者との接点になります。
これらの制作物に統一感があり、情報が分かりやすく整理されていることで、来場者は安心してイベントに参加しやすくなります。
また、スタッフにとっても、制作物は商品説明や案内を補助する役割を果たします。
「この商品はどのような特徴があるのか」
「どのメニューがおすすめなのか」
といった情報が視覚的に伝わることで、現場でのコミュニケーションもスムーズになります。
イベントの成果を高めるためには、見た目の良さだけでなく、来場者の行動を想定した情報設計が重要です。
03制作で意識したいポイント
①遠くから見ても伝わる視認性
キッチンカーイベントのクリエイティブ制作でまず意識したいのが、遠くから見ても内容が伝わる視認性です。
屋外イベントや商業施設、公園などでは、周囲に多くの情報があります。
看板、店舗、通行人、他のイベント、建物、街路樹など、さまざまな要素が視界に入るため、細かい情報を詰め込みすぎると、かえって何のイベントか分かりにくくなってしまいます。
そのため、キッチンカーの外装やメインビジュアルでは、まず
・商品名
・提供物
・無料/有料販売
といった基本情報が一目で伝わることが大切です。
特に、キッチンカーの前を通る人は、じっくり見てくれるとは限りません。
数秒で興味を持ってもらうためには、キャッチコピーやビジュアル、メニューの見せ方を整理し、情報に優先順位をつける必要があります。
例えば、商品の特徴をすべて説明しようとすると、文字量が多くなり、遠くからは読みにくくなります。
まずは「おいしそう」「楽しそう」「ちょっと試してみたい」と思ってもらうことを重視し、詳しい説明はPOPやスタッフの案内、配布物、Webサイトへの誘導で補足するという考え方が効果的です。
視認性を高めることは、単に目立たせることではありません。
来場者が迷わず理解でき、自然に足を止められる状態をつくることが重要です。
② 商品の世界観を伝える統一感
次に重要なのが、商品の世界観を伝える統一感です。
キッチンカーイベントでは、車両装飾、メニュー表、POP、スタッフまわりのツール、配布物など、複数の制作物が同時に使われます。
それぞれのデザインがバラバラに見えてしまうと、商品やブランドの印象が弱くなってしまいます。
反対に、色、書体、写真、イラスト、コピーのトーンなどに統一感があると、会場全体でブランドの世界観を伝えることができます。
特に新商品や新しい価値を提案する商品の場合、来場者はまだその商品をよく知りません。
だからこそ、クリエイティブを通じて、
「どんな雰囲気の商品なのか」
「誰に向けた商品なのか」
「どんなシーンで使ってほしいのか」
といった印象を自然に伝えることが大切です。
例えば、健康感を打ち出したい商品であれば、清潔感ややさしさを感じるデザイン、
家族向けの商品であれば、親しみやすさや分かりやすさが重要になります。
新しいテクノロジーや素材を使った商品であれば、先進性や信頼感も求められます。
このように、商品の特徴やターゲットに合わせて、イベント全体の見え方を設計することが、ブランド理解につながります。
車両装飾、メニュー表、POP、配布物などに統一感を持たせることで、
来場者に商品らしさが自然に伝わり、会場全体としても印象に残りやすくなります。
③気軽に立ち寄りたくなる親しみやすさ
キッチンカーイベントでは、来場者が「立ち寄ってよい」と感じられる雰囲気づくりも大切です。
どれだけデザインが整っていても、少し入りづらい印象があると、通行人はそのまま通り過ぎてしまいます。
特に、初めて見る商品や、まだ認知が広がっていない商品の場合、来場者は少し慎重になります。
「これは何だろう」
「自分が参加してもよいのかな」
「声をかけられたら面倒ではないかな」
「子どもと一緒でも大丈夫かな」
といった心理的なハードルが生まれることもあります。
そのため、クリエイティブでは、商品やイベント内容を分かりやすく伝えるだけでなく、気軽に近づける雰囲気をつくることが重要です。
例えば、
・やわらかいコピーにする
・メニューを分かりやすく見せる
・写真やイラストでおいしさを伝える
・参加方法をシンプルに示す
・親子連れでも分かりやすい表現にする
・スタッフが案内しやすい導線をつくる
といった工夫があります。
また、メニュー表やPOPは、来場者がスタッフに話しかけるきっかけにもなります。
「どれがおすすめですか?」
「子どもでも飲めますか?」
といった会話が生まれることで、商品理解はより深まります。
キッチンカーイベントにおけるクリエイティブは、見せるためだけのものではなく、来場者とのコミュニケーションを生み出すためのものでもあります。
④イベント後の記憶に残る設計
キッチンカーイベントは、その場で商品を体験してもらう施策ですが、
本当に大切なのは、イベント後にも商品やブランドを思い出してもらうことです。
その場で「おいしかった」「楽しかった」と感じてもらえても、商品名や特徴が記憶に残っていなければ、次の購入や検索、SNS投稿にはつながりにくくなります。
そのため、イベントクリエイティブでは、イベント後の行動まで想定した設計が必要です。
例えば、
・商品名が印象に残る見せ方にする
・ブランドの特徴を短い言葉で伝える
・配布物にWebサイトやSNSへの導線を入れる
・写真を撮りたくなるスポットをつくる
・イベント体験と商品名が結びつくようにする
といった工夫が考えられます。
特に、食品・飲料のイベントでは、味の記憶とブランドの記憶を結びつけることが重要です。
「おいしかったけれど、何の商品だったか忘れてしまった」とならないように、
商品名やブランドメッセージを自然に目に入る場所へ配置することが大切です。
また、イベント後にWebサイトやSNSを見てもらう導線を設けることで、単発の体験を継続的な接点につなげることができます。
キッチンカーイベントは、リアルな場でのプロモーションですが、WebやSNSと連動することで、より広い認知拡大につなげることが可能です。
LIKE MILKキッチンカーイベントでの制作事例
今回、アサヒグループジャパン株式会社様が展開する「LIKE MILK」のキッチンカーイベントにおいて、イベントに関わるクリエイティブ制作に携わりました。
LIKE MILKは、酵母から生まれたあたらしいミルクとして、これまでの牛乳や植物性ミルクとは異なる新しい選択肢を提案する商品です。
イベントは、LIKE MILKの認知向上と、実際に商品を体験した生活者の声を集めることを目的に、豊洲公園で実施されました。
会場では、LIKE MILKを使用した飲むかき氷をはじめ、カフェラテやロイヤルミルクティなど、来場者が気軽に楽しめるメニューが提供されました。
今回のように、新しい価値を持つ商品を体験してもらうイベントでは、まず「どんな商品なのか」を分かりやすく伝えることが重要です。
LIKE MILKの場合も、商品の新しさややさしい印象、気軽に試してみたくなる雰囲気が伝わるよう、イベント全体の見え方を意識しました。
また、公園での開催ということもあり、親子連れや散歩中の方など、さまざまな来場者が自然に立ち寄れる雰囲気づくりも大切なポイントでした。
キッチンカーイベントでは、会場に来た方が最初に接するのは、商品説明ではなく、目に入るビジュアルやメニュー、POPなどの制作物です。
その第一印象によって、足を止めるかどうか、商品に興味を持つかどうかが大きく変わります。
今回の制作においても、LIKE MILKという商品の特徴を伝えながら、
来場者にとって分かりやすく、親しみやすい体験につながるクリエイティブを目指しました。
04まとめ
キッチンカーイベントは、商品を直接体験してもらえるだけでなく、来場者のリアルな反応や声を得られるプロモーション施策です。
特に新商品や、まだ認知が十分に広がっていない商品の場合、
実際に味わってもらうこと、使い方を知ってもらうこと、ブランドの雰囲気を感じてもらうことは、商品理解を深める大きなきっかけになります。
一方で、イベントの成果を高めるためには、商品そのものの魅力だけでなく、会場での見せ方や情報設計も重要です。
・遠くから見ても分かりやすい視認性
・商品の世界観が伝わる統一感
・気軽に立ち寄りたくなる親しみやすさ
・イベント後の記憶に残る設計
これらを意識することで、キッチンカーイベントは単なる試飲・試食の場ではなく、ブランド理解や商品認知につながる体験型プロモーションになります。
株式会社アドップでは、広告・販促ツール・Web・採用広報など、さまざまなクリエイティブ制作を通じて、企業や商品の魅力を伝える支援を行っています。
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