パンフレット制作でよくある悩みのひとつが、「伝えたいことが多すぎて、どこから手をつければいいかわからない」というものです。あれもこれもと盛り込んでいくうちに、気づけば文字だらけで読みにくい資料になっていた等、制作の現場ではこういったケースが少なくありません。
伝わらないパンフレットの多くは、デザインより前の段階「どの情報をどう整理するか」のところで躓いています。本記事では、情報整理の考え方と、当社が実際に手がけた小峰無線電機株式会社様のカタログ制作事例をもとに、伝わるパンフレットの作り方をご紹介します。
目次
▲ 小峰無線電機株式会社様 カタログ(表紙・企業情報ページ)
01パンフレットは情報を詰め込むほど、伝わりにくくなる
制作の現場でよく耳にするのが「載せたい情報が多すぎて」という言葉です。事業内容、製品スペック、実績、会社概要どれも必要な情報ではあるのですが、全部を同じ重さで並べてしまうと、読み手はどこに注目すればいいかわからなくなります。
もう一つよくあるのが「製品ごとのチラシはあるのに、会社全体をまとめた資料がない」というケースです。個別の情報は揃っているのに、それを一冊に統合したものがない。
営業の場で「うちの会社を一枚で説明できる資料」がない状態になってしまっているケースです。
こういった状況は、「情報が整理されていない」というより、「どれを使うか決まっていない」だけということが多いです。
02パンフレット制作の第一歩は"棚卸し"から
最初にやることはシンプルです。「伝えたいことを全部書き出す」ことです。
頭の中だけで整理しようとしても、大事なこととそうでもないことが混ざりやすいです。
まず全部紙に出してみてから、「絶対に必要な情報」「あったほうがいい情報」「なくても成立する情報」の3つに分けてみてください。
それだけで、どれを載せてどれを削るかの判断がずいぶんしやすくなります。
全部入れようとせず、詳しい内容はWebに任せるという割り切りも、パンフレットではアリな選択肢です。
03読む人の目線で情報の順番を決める
棚卸しの次は「読む順番」の設計です。
意外と見落としがちなのが、作り手と読み手の「知りたい順」のズレです。作り手からすれば「まず製品スペックを見てほしい」という気持ちがあっても、読み手はそもそも「この会社が何をしている会社なのか」を先に知りたいと思っています。
読み手の立場からすると、まず「この会社が何をしているか」を知りたくて、それが自分に関係ありそうだとわかれば、具体的な製品の話に進む。信頼できそうだと感じたら、問い合わせに動く。
そういう自然な流れに沿ってページを組み立てると、読んでいてストレスがなくなります。
会社側の「伝えたい順」で並べてしまうと、途中で読む気が失われやすいです。
04 BtoB製品のパンフレットほど、伝え方の工夫が必要
技術系やBtoB向けの製品を扱う企業ほど、「いかに伝えるか」で悩む場面が多いと思います。
業界内の人には当たり前の用語でも、外から見ると何のことかわからない、ということはよくあります。加えて、パンフレットが渡る先が現場担当者だけとも限りません。決裁者や他部門の人が目を通すことも普通にあります。「難しくてよくわからない」という第一印象を与えてしまうと、それだけで手に取ってもらえなくなってしまうこともあります。
小峰無線電機株式会社様のカタログ制作でも、まさにこの点が課題でした。高周波コネクタやGNSSアンテナなど、一般には馴染みの薄い製品を扱う同社には、もともと製品ごとのチラシしかなく、会社全体を一冊で紹介できる資料がありませんでした。
出発点は「バラバラのチラシをまとめたい」というシンプルなものでしたが、打ち合わせを進めていくうちに「先進的なブランドイメージを出したい」という意向も出てきて、両方をどう両立させるかが制作の軸になりました。
▲ 小峰無線電機株式会社様 カタログ(企業理念ページ)先進的なビジュアルと、ブランドの姿勢を見開きで表現
4コマ漫画という選択肢
先進的なイメージと、わかりやすい製品説明の両立この課題に対してデザイナーから出てきたのが、「イラストやマンガ的な表現を取り入れてみよう」というアイデアでした。
正直、最初は「工業系の製品にマンガ?」とちょっと意外な感じがしました。でも実際に仕上がったものを見ると、技術的な内容が続くページの中に、思わず目が止まる場面がありました。
製品の使用シーンを4コマ的な構成でビジュアル化することで、スペックを読まなくても「こういう場面で使うものなんだ」というイメージが伝わる。専門的な情報が並ぶカタログでも、こういう工夫ができるんだと、正直勉強になりました。
4コマ的な表現は使う場面を選びますが、「文字で伝えにくいことをどう見せるか」という情報設計の視点からは、選択肢のひとつとして持っておいて損はないと思います。
▲ 小峰無線電機株式会社様 カタログ(GNSSアンテナページ)使用シーンを4コマ形式でビジュアル化
05まとめ
まず情報の棚卸しと優先順位の整理——これだけでも、パンフレットの伝わり方はかなり変わります。何を入れるかよりも「何を省くか」「どの順番で見せるか」を意識してみてください。
また、専門性の高い製品を扱う場合は、正確さと同じくらい「わかりやすく見せる工夫」が必要です。図解やイラスト、マンガ的な表現など、テキスト以外の手段も選択肢に入れてみてください。
株式会社アドップでは、パンフレット・カタログ・会社案内の制作において、情報設計の段階からご支援しています。「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
制作実績はこちら> adop.co.jp/showcase/
お問い合わせはこちら>adop.co.jp/contact/